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アンケート自由記述のAI分析ツールの選び方|無料で集計する比較の軸

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アンケートの選択式の集計は表計算ソフトで一瞬なのに、最後の「ご自由にお書きください」だけは何百件も残る——ここで手が止まった経験はありませんか。この自由記述(フリーアンサー)を、人手で一件ずつ読んで分類する作業を「アフターコーディング」と呼びます。時間がかかるうえ、担当者によって分け方がぶれやすいのが昔からの悩みでした。

いま、この自由記述の集計をAIに任せる選択肢が増えています。ただし「AIに丸投げすれば正解が出る」わけではありません。個人情報の扱い、日本語の精度、無料枠の範囲を押さえて選ばないと、かえって手戻りが増えます。この記事では、実際に使っていないツールについては公式情報とユーザーの声を出どころがわかる形で整理し、自分の目的に合う1本を選ぶための基準をまとめます。

まず結論:規模と目的でざっくり3タイプに分かれる

自由記述のAI分析ツールは、大きく次の3タイプに分けて考えると迷いません。

  • ① 手軽に試したい(数十〜数百件):ChatGPTなどの対話型AIに貼り付けて「分類して」「要約して」と頼む方法。準備ゼロで始められます。
  • ② 分類・集計を自動化したい(数百〜数千件):ユーザーローカルの「自動アフターコーディングAI」のような、アンケート専用の無料Webツール。
  • ③ 傾向を図で見たい(口コミ・大量データ):テキストマイニング系(ユーザーローカルのAIテキストマイニング、KH Coder など)。頻出語や語のつながりを可視化します。

「分類したいのか」「要約したいのか」「傾向を図で見たいのか」で入り口が変わります。ここを曖昧にしたまま高機能ツールを触ると、使いこなせずに終わりがちです。

選び方の5つの基準

1. 個人情報・機密情報を入れて大丈夫か(最優先)

自由記述には、書いた人の氏名・連絡先・具体的な社名などが紛れ込むことがあります。これを外部のAIサービスにそのまま貼り付けると、情報漏洩につながりかねません。選ぶ前に必ず次を確認してください。

  • 入力したデータがAIの学習に使われない設定になっているか
  • 個人情報はアップロード前に自分でマスキング(伏せ字化)する運用にできるか
  • 社内規定でクラウドの外部AIツールが許可されているか

「便利さ」より先に「入れていい情報か」を判断する。ここを飛ばすと、あとで取り返しがつきません。不安が残るなら、後述のKH Coderのように手元のパソコンで動かすタイプが安全側です。

2. 日本語の精度・処理できる件数

海外発のツールは英語前提で作られていることがあり、日本語の細かいニュアンス(皮肉・遠回しな不満など)を取りこぼす場合があります。日本語のアンケートなら、日本語に強いと明記されたツールを選ぶのが無難です。

また、無料の対話型AIは一度に貼り付けられる文字数に上限があり、数千件規模の一括処理には向きません。件数が多いなら、専用ツールで分割せずに処理できるかを確認しましょう。

3. 何を出してくれるか(分類・要約・感情分析)

同じ「AI分析」でも、出てくるものが違います。

  • 分類(コーディング):回答を「価格」「使いやすさ」「サポート」などのカテゴリーに仕分けする
  • 要約:全体の意見をひとことにまとめる
  • 感情分析:ポジティブ/ネガティブの割合を出す
  • 可視化:頻出語や語のつながりをグラフにする

「集計して施策の優先順位を決めたい」なら分類、「経営層に一言で報告したい」なら要約、というように、報告の出口から逆算すると選びやすくなります。

4. 費用(無料枠の範囲を正しく理解する)

無料で始められるツールは多いですが、「完全無料」と書かれていても条件付きのことがほとんどです。無料枠の件数上限、商用利用の可否、出力データのダウンロード可否を確認してください。研究・個人利用なら無料で十分でも、業務で継続的に使うなら有料プランやSaaSが必要になる場合があります。

5. 分析の再現性(あとで検証できるか)

AIの分類は便利ですが、「なぜそう分類したのか」が説明できないと、社内で結果を疑われたときに困ります。分類のルール(辞書やタグ)を保存できるか、同じ条件でやり直せるか、CSVで元データを書き出せるか——このあたりが備わっていると、あとから検証しやすくなります。

タイプ別・代表的なツール(2026年7月時点の公表情報)

以下は各サービスの公式情報・一般的なユーザーレビューをもとに整理したものです。筆者が全ツールを課金して使い込んだ一次体験ではありません。料金・無料枠・機能は変動が激しいため、導入前に必ず各公式でご確認ください。

アンケート自由記述 | AI分析の入り口

3タイプの向き・不向き

規模と「何を出したいか」で入り口が変わります

準備の手軽さ大量データ傾向の可視化
対話型AI(ChatGPT等) 貼り付けて指示 準備ゼロで試せる × 文字数上限あり 図は別途依頼が必要
アンケート専用AI(無料Web) 分類の自動化 アップロードで完結 数百〜数千件向き 一部の可視化のみ
テキストマイニング(KH Coder等) 傾向を図で 慣れが必要 大量データOK 共起ネットワーク等
  • ※料金・無料枠・機能は変動します。導入前に各公式でご確認ください。
  • ※外部AIに個人情報を含む回答を入れる際はマスキング等の配慮を。

AIツールナビ

対話型AI(ChatGPT など)|まず試すならここ

自由記述をコピーして貼り付け、「ポジティブとネガティブに分けて」「上位3つの不満をまとめて」と頼むだけで、下書きレベルの分析がすぐ返ってきます。入門には最適です。一方で、公表されている仕様では無料版は一度に扱える文字数に制限があり、数千件規模の一括処理には向かないとされています。個人情報を含む回答をそのまま貼らないよう注意しましょう。

  • 向いている人:とりあえず傾向をつかみたい、件数が数十〜数百件
  • 注意点:件数が多いと分割が手間、機密情報の扱いに配慮が必要
  • 最終確認日:2026-07-24

ユーザーローカルのAI系ツール(無料)|日本語のアンケート集計に

株式会社ユーザーローカルは、自由記述の自動分類を行う「自動アフターコーディングAI」や、頻出語・特徴語を抽出する「AIテキストマイニング」をブラウザ上で無料提供しています。公式のプレスリリースによると、自動アフターコーディングは100行程度の文章の分類が短時間で完了するとされ、日本語のアンケート回答やクチコミの整理に向くと案内されています。インストール不要で始められるのも利点です。

  • 向いている人:Googleフォーム等の回答を日本語でまとめて分類したい
  • 注意点:無料枠の範囲・出力形式は変わりうるので公式で確認を
  • 最終確認日:2026-07-24

KH Coder|手元のパソコンで動かす無料ソフト

KH Coderは、立命館大学の樋口耕一氏が開発した完全無料の計量テキスト分析ソフトで、単語の出現頻度・共起ネットワーク(語と語のつながりを図にしたもの)・クラスタリングなどに対応します。大学や研究機関、企業のマーケティング部門でも広く使われています。クラウドに送らず手元で動かせるため、外部AIに回答を渡したくない場面では安全側の選択肢になります。ただし、対話型AIのような手軽さはなく、使いこなすには一定の慣れが必要です。

  • 向いている人:情報を外に出さずに傾向を図で見たい、研究・分析寄りの用途
  • 注意点:導入・操作の学習コストがある
  • 最終確認日:2026-07-24

こんな人には、こう選ぶ(目的別の早見)

  • 社内アンケートの不満を素早く仕分けしたい:まず対話型AIで下書き → 件数が多ければユーザーローカルの自動分類へ
  • 顧客の口コミの全体傾向を図で報告したい:ユーザーローカルのAIテキストマイニング、または KH Coder
  • 個人情報が多く外部に出せない:手元で動く KH Coder を軸に、マスキングを徹底
  • 継続的に大量処理する業務用途:無料ツールで要件を固めてから、有料SaaSの検討へ

よくある質問(FAQ)

Q. AIの分類はそのまま報告に使って大丈夫? A. 下書きとして使い、最後は人が目で確認するのが安全です。AIは文脈を取り違えることがあり、特に皮肉や遠回しな表現は誤分類が起きやすい領域です。

Q. 無料ツールだけで足りますか? A. 数十〜数千件の単発調査なら無料ツールで足りることが多いです。毎月大量に回す、権限管理やログが必要、といった業務用途になると有料プランやSaaSが視野に入ります。

Q. 個人情報が入った回答をAIに入れても平気? A. 原則、氏名や連絡先はアップロード前にマスキングしてください。手元で動くKH Coderのようなツールを選ぶ、学習に使わない設定にする、といった配慮も有効です。社内規定の確認も忘れずに。

Q. 数値の集計(選択式)もAIでできますか? A. 選択式は表計算ソフトの集計で十分な場合が多く、AIの出番は主に自由記述です。両方を1つのツールで完結させたい場合は、対応範囲を公式で確認しましょう。


※料金・無料枠・機能は執筆時点のものです。最新は各公式でご確認ください。

あわせて読みたい

参考にした情報

  • 株式会社ユーザーローカル「自動アフターコーディングAI by ChatGPT」プレスリリース(userlocal.jp)
  • KH Coder 公式サイト(khcoder.net)
  • ITトレンド「無料のおすすめテキストマイニングツール比較」(2026年版)