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炎上チェックができるAI校正ツールの選び方|差別語・不快語

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料金・無料枠・機能は変動が激しいため、各ツールに「最終確認日」を記載しています。申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

書いた文章を公開する直前に、ふと不安になることがあります。「この言い回し、誰かを傷つけないだろうか」「この断定、あとで撤回することにならないか」。ひとりでブログやSNSを運用していると、投稿前に見てくれる第三者がいません。チェックしてくれる人がいないぶんを、仕組みで埋めるというのがこの記事のテーマです。

ここでは「炎上チェック」、つまり差別語・不快語や誤解を招く表現を公開前に見つけるためのツールの選び方を整理します。筆者はここで挙げるツールをすべて課金して使い比べたわけではありません。料金・機能は各公式サイトの公表情報、使われ方は公開されている情報をもとに書いています。出どころが分かる形で書きますので、最終判断はご自身の目でお願いします。

炎上チェックは「誤字脱字の校正」とは別の作業

最初に切り分けたいのが、校正(誤字脱字を直す)と炎上チェック(読み手の受け取り方を点検する)はまったく別物という点です。

無料の日本語校正ツールの多くは、タイプミス・変換ミス・文法の崩れを見つけるのが役割です。「てにをは」が変、同じ助詞が続いている、といった指摘は得意でも、その単語が誰かにとって不快かどうかは基本的に守備範囲の外にあります。

一方で、実際にトラブルになりやすいのは誤字ではありません。次のような部分です。

  • 特定の属性(性別・年齢・出身・職業・身体的特徴など)に触れた何気ない一言
  • 古い言い方のまま残っている呼称
  • 「絶対に儲かる」「必ず治る」のような、根拠のない断定
  • 広告なのに広告と分かる表示がない投稿

つまり、誤字脱字ツールをいくら通しても、炎上リスクは減らないということです。用途が違うツールに期待して「チェック済み」と安心してしまうのが、いちばん危ない状態だと考えています。

なお誤字脱字そのものの対策は別記事にまとめています。あわせて読むと、どこまでを無料でまかなえるかが見えます。→AI文章校正ツールの選び方|誤字脱字チェックを無料で

公開前に見ておきたい5つの観点

ツールを選ぶ前に、「何をチェックしたいのか」を言葉にしておくと、機能表の見え方が変わります。個人・小規模事業者が押さえておきたいのは次の5つです。

1. 攻撃性

批判や意見表明のつもりでも、主語が大きくなると攻撃に見えます。「〜な人は考えが浅い」のように、対象を人格ごと否定する形になっていないかを見ます。弁護士ドットコム株式会社が公開している「AI炎上チェッカー」も、この攻撃性を判定観点のひとつに挙げています(同社の2025年4月の発表による)。

2. 差別性・不快語

本人にまったく悪意がなくても、慣習として使ってきた言い回しが現在は避けられている、というケースがあります。ここは知識の差がそのまま出るところで、個人の記憶に頼るのがいちばん危ない領域です。決まった項目で機械的に洗い出す価値が大きいのはこの観点です。

3. 誤解を招く断定

「必ず」「絶対」「100%」「日本一」といった表現は、根拠を示せないなら書かないのが基本です。事実としては条件付きなのに、無条件であるかのように読める書き方も同じリスクを抱えます。景品表示法の優良誤認・有利誤認にあたる可能性があるためで、これは炎上というより法令側の問題です。

4. 引用・転載の作法

他人の文章や画像を紹介するときに、引用元が書かれていない、引用の範囲が主従逆転している、といった状態は指摘を受けやすい部分です。これは現状、ツールが自動で判定しにくい領域なので、人のチェックリストで補うのが現実的です。

5. 広告であることの表示

2023年10月から、広告なのに広告と分からない表示(いわゆるステルスマーケティング)は景品表示法の規制対象になりました。アフィリエイトリンクを含む記事やPR投稿では、「広告」「PR」と分かる表記が必要です。ここはツールで検出するより、公開前チェックリストに固定で入れておくほうが確実です。

炎上チェック | 個人・小規模事業者向け

4タイプのツールで得意分野が分かれる

「差別語・不快語をどこまで機械的に洗えるか」で選ぶと迷いにくくなります

差別語・不快語の検出費用始めやすさ
文賢(ルール校正) 有料・定額 ○ 「差別語・不快語」「ポリティカル・コレクトネス」が公表項目に含まれる △ パーソナル 月1,650円(税込・1年更新)から △ 14日間の無料トライアルあり。以降は有料
汎用の生成AI ChatGPT・Claude 等 △ 指示すれば指摘できるが、観点と結果が毎回そろわない ○ 無料枠から試せる(利用量の上限あり) ○ アカウントがあればすぐ使える
AI炎上チェッカー 弁護士ドットコム株式会社 ○ 攻撃性・差別性・誤解を招く表現の3観点で評価 △ 提供条件は公式サイトで要確認 ○ Web上で試せる
無料の日本語校正ツール 誤字脱字が中心 × 炎上の観点は基本的に対象外 ○ 無料のものが多い ○ 登録不要で使えるものもある
  • ※料金・機能は2026-09-18時点の各公式サイトの公表情報です。最新は公式でご確認ください
  • ※どのツールも「これで炎上しない」と保証するものではありません。最終判断は人が行ってください

AIツールナビ

ツールを選ぶ4つの基準

基準1:チェック項目が公表されているか

いちばん重視したいのがここです。「AIが不適切表現を検出します」とだけ書かれていても、何を不適切とみなすのかが分からなければ、抜けたときに気づけません。逆に、チェック項目が一覧で公表されていれば、自分の書くジャンルに必要な項目が含まれているかを事前に確かめられます。

基準2:結果が毎回そろうか

汎用の生成AIに「炎上しそうなところを指摘して」と頼むと、それなりの指摘は返ってきます。ただし同じ文章でも指摘の粒度や観点が回ごとにぶれます。毎日書く人ほど、決まった項目で毎回同じように洗える仕組みのほうが向いています。逆に月に数回しか書かないなら、汎用AIで十分というのも合理的な判断です。

基準3:入力する文章を外に出してよいか

未公開の原稿、社内資料、顧客名が入った文面をそのまま貼るのは避けたいところです。マスキング(伏せ字化)の機能があるか、入力データの扱いが明示されているかを確認してください。ここは「便利かどうか」ではなく運用ルールの問題なので、無料かどうかより優先度が高い項目です。

基準4:自分の言葉づかいを登録できるか

業界用語や自社の表記ルールは、汎用のチェック項目には入っていません。独自ルールを追加登録できるかどうかで、続けたときの精度差が出ます。

主なツールの中身(最終確認日:2026-09-18)

文賢(ブンケン)|チェック項目が公表されている定額ツール

株式会社ウェブライダーが提供する文章作成アドバイスツールです。公式サイトによると、ルール校正のチェック項目は13項目が公表されており、その中に**「差別語・不快語」「ポリティカル・コレクトネス」「気をつけるべき商標と固有名詞」**が含まれます。誤字脱字・誤った敬語・話し言葉・重複表現・機種依存文字といった通常の校正項目も同じ画面で扱えます。

このほか、公式サイトには次の機能が記載されています。

  • ルール推敲(22項目)
  • マスキング機能
  • AIアシスト
  • 辞書機能、独自ルールを追加できるカスタムカテゴリ(最大16件)
  • ファイルアップロード対応、チェックリスト

料金は公式サイトの表記で次のとおりです。

プラン1年更新1か月更新
パーソナル1,650円(税込)/月1,980円(税込)/月
ビジネスチーム(1ユーザーあたり)2,750円(税込)/月3,300円(税込)/月

14日間の無料トライアルがあり、「トライアル期間中にキャンセルされた場合、料金は一切発生しません」と公式に記載されています(最終確認日:2026-09-18)。

向いている人は、ブログ・オウンドメディア・店舗アカウントなどで文章を継続的に出していて、チェックの抜けを自分の記憶に頼りたくない人です。逆に、月に1〜2回しか書かない人には定額のコストが重く感じられるはずで、その場合は後述の汎用AIのほうが釣り合います。

汎用の生成AI(ChatGPT・Claudeなど)|無料枠から始めたい人向け

「次の文章に、差別的な表現・攻撃的な言い回し・根拠のない断定がないか、箇所を挙げて指摘してください」と頼めば、一定の指摘は返ってきます。無料枠から試せるのが最大の利点です。

ただし前述のとおり、指摘の観点と粒度が毎回そろわないという弱点があります。運用でカバーするなら、自分でチェック観点を書いた定型プロンプトを用意し、毎回同じ文面で投げるのが現実的です。なお、どの生成AIを使う場合でも、未公開原稿や顧客情報をそのまま貼らないという原則は変わりません。

AI炎上チェッカー(弁護士ドットコム株式会社)|SNS投稿向け

弁護士ドットコム株式会社が2025年4月に発表したツールで、同社の発表によると**「攻撃性」「差別性」「誤解を招く表現」の3観点**で投稿内容を評価し、リスクがある場合はアドバイスを示して、より安全な表現への改善を促すというものです。SNSに投稿する前の短文チェックという用途に絞られています。

料金や登録の要否は本記事の執筆時点で公式サイト上から確認しきれなかったため、利用前に公式サイトで最新の提供条件をご確認ください。

無料の日本語校正ツール|炎上チェックの代わりにはならない

登録不要でブラウザから使える校正ツールは複数あります。誤字脱字やタイプミスを拾う用途では十分に役立ちますが、差別語・不快語やポリティカル・コレクトネスの観点は基本的に対象外です。「無料の校正ツールを通したから大丈夫」という使い方だけは避けてください。

目的別の早見表

状況現実的な選択理由
ブログ・オウンドメディアを継続更新している定額のチェックツール+公開前チェックリスト項目が固定され、抜けが減る
SNS投稿が中心・短文が多い投稿前チェック系のWebツール+汎用AI都度の短文チェックに向く
書くのは月1〜2回汎用AIの無料枠+自作の定型プロンプト定額のコストが釣り合わない
顧客名・未公開情報を含む文書を扱うマスキング機能があるツール、または社内ルールで対応入力データの扱いが最優先

SNS投稿そのものの作り方は別記事で扱っています。→SNS投稿文をAIで作るツールの選び方|X・Instagramで続けるコツ

注意点:ツールに任せきりにしない

ここは強調しておきたいところです。

  • どのツールも「炎上しない」保証はしません。 チェックはリスクを減らす作業であって、ゼロにする作業ではありません。
  • 文脈はまだ人のほうが強い。 同じ単語でも、皮肉なのか事実の説明なのかで受け取られ方が変わります。ツールの指摘は候補であって判定ではない、という距離感で使うのが安全です。
  • 指摘をすべて直すと、文章がぼやける。 断定を全部消すと何を言いたいのか分からない文章になります。「なぜその表現なのか」を説明できるなら残してよい、という基準を自分で持ってください。
  • 時間を空けて読み直すのがいちばん効く。 書いた直後は自分の意図が頭に残っているので、読み手の視点に切り替わりません。半日置いて読み返すだけで見え方が変わります。

よくある質問

Q. 無料だけで炎上チェックを済ませられますか。 A. ある程度は可能です。汎用AIの無料枠に定型プロンプトを投げる方法と、公開前チェックリストの併用で最低限は回せます。ただし観点の網羅性と結果の安定性は、項目が公表・固定されている有料ツールのほうが上です。書く頻度で判断してください。

Q. AIが「問題なし」と言えば公開してよいですか。 A. いいえ。AIの判定は参考情報です。特に文脈依存の表現、引用の作法、広告表示の有無は、人が最終確認する前提で運用してください。

Q. 過去記事もチェックし直すべきですか。 A. 全記事を一度に見直す必要はありません。アクセスが多い記事・広告リンクを含む記事・特定の属性に触れている記事から優先するのが現実的です。

Q. 「絶対」「必ず」は使ってはいけませんか。 A. 一律に禁止というより、根拠を示せるかどうかです。公的な数値や公式の記載を示せるなら書けますし、示せないなら条件付きの表現に置き換えるのが安全です。

Q. 社内文書や顧客名を含む文章を貼ってもいいですか。 A. そのまま貼るのは避けてください。マスキング機能があるツールを使うか、固有名詞を伏せてからチェックしてください。

こんな人におすすめ

  • 継続的に発信していて、見直しの抜けが怖い人 … 項目が固定されたチェックツールを1本入れる価値があります
  • 広告リンクを含む記事を書いている人 … 断定表現とPR表記の2点は、仕組みで固定してしまうのが確実です
  • チェックしてくれる第三者がいない個人事業主・ひとり社長 … ツールは「もうひとりの目」の代わりとして機能します
  • 書く頻度が低い人 … 無理に契約せず、無料枠と自作チェックリストで十分に始められます

まずは無料で試せる範囲から始めて、毎回同じ観点で洗える状態にしたくなったら定額ツールを検討する、という順番がおすすめです。

※料金・無料枠・機能は執筆時点のものです。最新は各公式でご確認ください。

あわせて読みたい

参考にした情報

  • 文賢(ブンケン)公式サイト(株式会社ウェブライダー)|料金・チェック項目・無料トライアルの記載を確認(最終確認日:2026-09-18)
  • 弁護士ドットコム株式会社「AI炎上チェッカー」の発表内容(2025年4月)|評価する3観点の記載を確認
  • 消費者庁「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」(2023年10月1日から景品表示法の規制対象)