指示語が多い文をチェックするツールの選び方|書き換えの型つき
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「それ」「この」「あれ」が文章に何度も出てきて、読み返すと何を指しているのか自分でも迷う。そんな文章を直したい人に向けた記事です。
結論から書きます。指示語を数えたり色を付けたりする作業は、無料のツールでもできます。難しいのは「指す先がはっきりしているか」の判断で、ツールは候補を光らせるところまでです。毎回同じ画面で、接続語や長い文と一緒に見直したいなら、指示語をハイライトするカテゴリを持つ文賢が候補になります。
各ツールの機能と料金は、公式サイト・公式ヘルプ・プレスリリースの公表内容をもとに整理しました。筆者が契約して試した結果ではありません。
指示語が多いと読みにくくなる理由
指示語が読みにくさにつながるのは、読み手が指す先を探すために前の文へ戻る必要があるからです。書き手は頭の中に答えがあるので、迷わず読めてしまいます。読み手は文章しか手がかりがありません。
指す先の候補が2つ以上ある文では、読み手が別の名詞を当てはめてしまうことがあります。
見積書と請求書を送りました。それに不備があれば連絡してください。
上の例では「それ」が見積書か請求書か、両方なのかが決まりません。書き手にとっては明らかでも、受け取った側は確認の連絡を入れることになります。
指示語そのものは誤りではない
指示語は文法上の誤りではなく、使いすぎと指す先のあいまいさが問題です。直前の名詞をすぐ受ける「この方法なら」のような使い方は、同じ名詞をくり返すより読みやすい場面もあります。
文賢の公式ヘルプも、指示語を「誤り」としては扱っていません。ルール推敲の「指示語のハイライト」は、指す内容を前後で明確に示しているか、具体的な表現に書き換えられないかを確認するよう促す項目です(最終確認日:2026-10-08)。
指示語を拾うツール4つの違い
チェック方法は4つに分かれます。違いが出るのは「数えるだけか、指す先まで考えるか」と「文章をどこへ送るか」です。
無料の指示語マーカー(こそあどマーカー)
小説の推敲支援ツールを集めたサイト「タロットプロット」の「こそあどマーカー(指示語検出機)」は、原稿中の指示語を検出してハイライト表示します。公開ページによると、登録されている指示語は32個です。文章をテキストボックスに貼るだけで使えます(最終確認日:2026-10-08)。
どこに指示語が固まっているかを目で見る用途に向きます。指す先が明確かどうかの判断はしません。入力した文章をサーバーへ送るかどうかは、公開ページに記載が見当たりませんでした。社外秘の文章は伏せ字にしてから貼ります。
読みやすさ判定ツール(読みやすさチェッカー)
「読みやすさチェッカー」は、文章全体の読みやすさを点数で示す無料のWebアプリです。公開ページによると、「あれ」「それ」などの指示語を注意するべき語として色分けします。指示語の数が文の5割より多い場合は、超えた数×2点を減点する仕組みです(最終確認日:2026-10-08)。
公開ページでは、文章はブラウザ内で処理し、保存機能はないと説明しています。登録は不要です。指示語の多さを数字で確認したいときに使えます。
生成AI(ChatGPT・Claude・Geminiなど)
文章を貼り、「指示語が指す名詞を書き出し、あいまいな箇所は書き換え案を出して」と指示する使い方です。指す先を推定し、名詞に置き換えた文まで出せるのが利点です。
生成AIは規則で数える道具ではないため、拾い漏れが起きます。書き換え案が元の意味からずれることもあるので、案はそのまま貼らずに読み比べます。顧客名や金額は伏せてから貼ります。
文賢(辞書型の校正・推敲ツール)
株式会社ウェブライダーの文賢は、文章の校正と推敲を支援する有料のクラウドツールです。公式ヘルプによると、ルール推敲に「指示語のハイライト」のカテゴリがあります。「それ」「これ」などの指示語をハイライトし、指す内容が明確かの確認を促します(最終確認日:2026-10-08)。
同じルール推敲には、指示語と一緒に見直したい項目もそろっています。
- 接続語のハイライト(同じ接続語が続くと書き換えを提案)
- 一文が100文字以上ある
- 主述関係が不明瞭(β版)
- 同じ文末表現の連続使用
料金(税込)はパーソナルプランの1年更新で月1,650円、1か月更新で月1,980円です。公式ヘルプによると、いずれのプランにも14日間の無料トライアルがあり、期間中はいつでもキャンセルできます(最終確認日:2026-10-08)。
文章チェック | 指示語
指示語をチェックする方法4つの違い
数えるだけか、指す先まで考えるかで分かれます
| 指示語の検出 | 指す先の判断 | 文章の送り先 | 費用 | |
|---|---|---|---|---|
| こそあどマーカー 無料の指示語マーカー | ○ 32語をハイライト(公開ページ) | × しない | △ 公開ページに記載なし | ○ 無料 |
| 読みやすさチェッカー 無料の点数判定 | ○ 色分け・多すぎると減点 | × しない | ○ ブラウザ内で処理(公開ページ) | ○ 無料・登録不要 |
| 生成AI ChatGPT・Claudeなど | △ 拾い漏れあり | △ 推定と書き換え案・ずれあり | △ 外部サービスに送信 | △ 無料枠は条件つき |
| 文賢 ルール推敲でハイライト | ○ 指示語のハイライト | △ 確認を促す(判断は人) | △ クラウドで処理 | △ 月1,650円〜(税込) |
- ※機能・料金は2026-10-08時点の公式ページ・公式ヘルプ。最新は各公式でご確認ください
- ※どのツールも、指す先が明確かどうかの最終判断は人が行います。文賢の月1,650円は1年更新の月額で、1か月更新は月1,980円(税込)
AIツールナビ
ツールを選ぶ4つの基準
基準は4つです。上から順に当てはめると候補が絞れます。
- 確認する量:月に数本なら無料のマーカーと生成AIで足ります。毎日書くなら、ほかの推敲項目と同じ画面で見られる道具のほうが手間が減ります
- 数えたいか、直したいか:多さを数字で見るなら読みやすさ判定、書き換え案まで欲しいなら生成AIです
- 文章の機密度:送信先とデータの扱いを確認し、社外秘は伏せ字にします
- 一緒に直したい癖:指示語が多い文章は、接続語の連発や長い一文も抱えていることが多くあります。まとめて見るなら推敲項目の多いツールです
機密文書はデータの扱いを確認
文賢の公式ページによると、入力した文章はAIの学習に使われず、文賢のサーバーにも保存されません。AIアシストに送った文章だけは扱いが異なり、不正利用の監視のためOpenAI社のサーバーに30日間保管されると説明しています(最終確認日:2026-10-08)。
2026年10月1日のプレスリリースでは、生成AIに送る前に氏名・会社名・電話番号などをまとめて伏せ字にする自動マスキング機能の提供開始を発表しています。判定はブラウザ内で完結すると説明されています。
目的別のツール早見
| 目的 | 向いている方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 指示語がどこに固まっているか見たい | こそあどマーカー | 貼るだけで32語をハイライト(公開ページ) |
| 多すぎるかを数字で判断したい | 読みやすさチェッカー | 文の5割を超えると減点する基準がある |
| 名詞に置き換えた文が欲しい | 生成AI | 指す先の推定と書き換え案まで出せる |
| 接続語・長い文と一緒に毎回見直したい | 文賢 | ルール推敲に指示語・接続語・一文の長さの項目あり(公式ヘルプ) |
| 社外秘の文章を確認したい | 伏せ字にしてから各ツール | 送信先とデータの扱いが異なる |
Wordの文章校正が指示語の多さを指摘するかは、公式情報で確認できませんでした。そのため比較には入れていません。
指示語を毎回同じ基準で見直したい人へ
指示語の使いすぎは、接続語の連発や長すぎる一文と同時に起きやすい書き癖です。1回の見直しで複数の癖をまとめて洗い出したい場合は、推敲の項目が多いツールが候補になります。
文賢のハイライトは、正しく使っている指示語にも付きます。指す先がすぐ前にあり、候補が1つしかなければ、そのまま残します。
指示語を名詞に戻す書き換えの型
ツールで光った指示語は、次の3つの型のどれかで直せます。
型1 指す名詞に置き換える
いちばん確実なのは、指示語を指す名詞そのものに戻す方法です。
- 前:見積書と請求書を送りました。それに不備があれば連絡してください。
- 後:見積書と請求書を送りました。請求書に不備があれば連絡してください。
名詞が長い場合は、短い言い換えで構いません。「2026年度の業務委託契約書」なら2回目以降は「契約書」で通じます。
型2 文をつなげて指示語を消す
指示語が前の文全体を受けている場合は、2つの文を1つにまとめると指示語が不要になります。
- 前:会議の録音を文字起こしします。それを要約して共有します。
- 後:会議の録音を文字起こしし、要約して共有します。
つなげた結果、一文が長くなりすぎるなら型1に戻します。
型3 指示語の後に名詞を足す
「これ」「それ」だけで止めず、「この手順」「その金額」のように名詞を添える方法です。指示語は残りますが、何の話かが読み手に伝わります。
指示語を確かめる5つの手順
- 伏せ字にする:外部サービスに貼る前に、顧客名・金額・未公開の情報を置き換える
- ツールで光らせる:使う道具は1つに固定する。基準が毎回変わると判断がぶれます
- 指す先を書き出す:光った指示語ごとに、指している名詞をメモする
- 候補が2つある箇所を直す:指す先が1つに決まらない箇所から、型1〜型3で書き換える
- 初めて読む人の目で読む:前の文を見ずに、その一文だけで意味が通るかを確かめる
3番目で指す先を書き出せない指示語は、書き手自身も指す先を決めていない状態です。書き換えの優先度がいちばん高い箇所になります。
よくある質問
Q. 指示語は1文にいくつまでなら大丈夫ですか。 A. 公的な基準は見当たりません。読みやすさチェッカーは「文の5割より多い」場合に減点する基準を公開しています。数の目安として使い、最後は指す先が明確かで判断します。
Q. 指示語を全部なくすべきですか。 A. なくす必要はありません。直前の名詞をすぐ受ける指示語は、同じ名詞をくり返すより読みやすい場合があります。直すのは、指す先の候補が2つ以上ある箇所と、離れた段落を指している箇所です。
Q. 生成AIに書き換えを任せても大丈夫ですか。 A. 案を出させる用途には使えます。ただし指す先を取り違えた書き換えが混ざることがあるため、元の文と読み比べてから採用します。
Q. 一文が長い文や接続語の連発も一緒に直したいです。 A. 長い文の見つけ方は一文が長い文をチェックするツールの選び方|区切る目安つきで整理しています。
こんな人におすすめ
- 指示語が固まっている場所を無料で目で見たい人 → こそあどマーカー
- 指示語の多さを数字で判断したい人 → 読みやすさチェッカー
- 名詞に置き換えた文の案が欲しい人 → 生成AI
- 指示語・接続語・長い文を毎回同じ基準でまとめて見直したい人 → 文賢などの辞書型の推敲ツール
※料金・無料枠・機能は執筆時点のものです。最新は各公式でご確認ください。
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参考にした情報
- 文賢ヘルプセンター「ルール校正とルール推敲の『カテゴリ』解説」「新料金プランリリースのお知らせ」「AIアシスト機能に関する追加利用規約」、文賢 公式販売ページ、株式会社ウェブライダーのプレスリリース(2026年10月1日・PR TIMES)|指示語のハイライト、料金、無料トライアル、データの扱い、自動マスキング機能を確認(最終確認日:2026-10-08)
- タロットプロット「文章推敲支援ツール一覧」|こそあどマーカー(指示語検出機)の機能と登録語数を確認(最終確認日:2026-10-08)
- 読みやすさチェッカー【文章校正ウェブアプリ】|指示語の色分け、減点の基準、ブラウザ内処理を確認(最終確認日:2026-10-08)