ら抜き言葉をチェックするツールの選び方|見分け方と誤検出の注意
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「見れる」「来れる」と書いてしまっていないか、提出前に機械で確かめたい人に向けた記事です。
結論から書きます。ら抜き言葉は、無料ツールでも多くを拾えます。ただし、どのツールにも見落としと誤指摘があるため、最後は人が見分けます。毎回同じ基準でまとめて確認したいなら、ら抜き・い抜きを初期設定で指摘する文賢が候補です。
各ツールの機能と料金は、公式サイト・公式ヘルプの公表内容をもとに整理しました。筆者が契約して試した結果ではありません。
ら抜き言葉を直すべき場面
ら抜き言葉は、改まった文章では直しておくのが無難です。話し言葉では広く使われていますが、書き言葉では誤りと受け取る読み手がいるためです。
国語審議会(第20期)の審議経過報告は、改まった場での「ら抜き言葉」の使用を「現時点では認知しかねる」としています。同じ報告は、話し言葉では認めてもよいという考え方があることも紹介しています。
使う人は年々増えている
文化庁の「国語に関する世論調査」では、ら抜き言葉を使う人が増え続けています。
- 平成27年度調査:「見れた」が48.4%で、「見られた」の44.6%を初めて上回った
- 2025年度調査(2026年10月発表):報道によると「来れますか」「見れた」「出れる」はいずれも5割台
- 同じ2025年度調査で、16〜19歳の「見れた」は81.3%、70代以上は33.6%(報道による)
読み手の年代によって、受け取り方が分かれる言葉です。ビジネス文書・応募書類・公的な文書では「ら」を入れた形にそろえます。小説の会話文やSNSの投稿は、あえて残す選択もあります。
ら抜き言葉の見分け方
ら抜き言葉になるのは、一段動詞(見る・食べる・起きる)とカ変動詞(来る)だけです。「行ける」「書ける」のような五段動詞の可能形は、もともと正しい形です。
「よう」をつけて判定する
迷ったら、動詞に「よう」か「おう」をつけて言ってみます。
| 試す形 | 可能の正しい形 | 例 |
|---|---|---|
| 「〜よう」と言える | 「〜られる」 | 見よう→見られる/食べよう→食べられる/来よう→来られる |
| 「〜おう」の音になる | 「〜える」でよい | 行こう→行ける/書こう→書ける/読もう→読める |
「見よう」と言えるので「見れる」はら抜き、「行こう」になるので「行ける」は正しい形、と判定できます。
似ている3つの誤り
ら抜き言葉と一緒に指摘されやすい言い方が3つあります。
- い抜き言葉:「見てる」「やってます」。「見ている」「やっています」が書き言葉の形です
- れ足す言葉:「行けれる」「書けれる」。すでに可能の意味がある「行ける」に「れ」を足した形です
- さ入れ言葉:「読まさせる」「休まさせていただく」。「読ませる」「休ませていただく」で足ります
ツールによって、どこまでを指摘するかが違います。い抜きやさ入れも直したいなら、チェック項目に入っているかを先に確認します。
チェックツール4つの違い
ら抜き言葉を確認する道具は4つに分かれます。違いが出るのは「指摘の範囲」と「文章をどこへ送るか」です。
生成AI(ChatGPT・Claude・Geminiなど)
文章を貼り、「ら抜き言葉を抜き出して正しい形を示して」と指示する使い方です。見分け方の理由まで説明させられるのが利点です。
生成AIは規則で判定する道具ではないため、見落としや誤った指摘が起きることがあります。書き直しを頼むと、ら抜き以外の言い回しまで変わる場合もあります。社外秘の文章は、顧客名や金額を伏せてから貼ります。
無料のWeb校正チェッカー
登録なしで使える校正サイトです。たとえばJP Toolsの「文章校正チェッカー」は、ら抜き言葉・い抜き言葉をチェック項目に挙げています。公式ページによると無料・登録不要です。処理はブラウザ上で完結し、文章は外部に送信されません(最終確認日:2026-10-05)。
無料チェッカーは運営元が個人や小規模なことが多く、判定の基準や辞書の範囲が公開されていないことがあります。重要な文書は、指摘がなかった箇所も見分け方の表で確かめます。
Wordの文章校正
Wordには日本語の文章校正の設定があります。解説記事によると、「くだけた表現」の規則がら抜き・い抜きを対象にしています。文書のスタイルを「くだけた文」にすると、この規則は対象外になると説明されています。
項目名や画面はWordのバージョンで違います。ら抜きが指摘されないときは、「ファイル」→「オプション」→「文章校正」で文書のスタイルを確認します。
文賢(辞書型の校正・推敲ツール)
株式会社ウェブライダーの文賢は、文章の校正と推敲を支援する有料のクラウドツールです。公式ヘルプによると、ルール校正の「話し言葉」カテゴリがら抜き言葉・い抜き言葉を指摘対象にしています(最終確認日:2026-10-05)。
同じルール校正には「さ入れ表現(β版)」のカテゴリもあります。こちらは初期設定がオフのため、使う場合は自分でオンにします。「誤った敬語」「重複表現」も同じ画面で拾えます。
公式の販売ページによると、Word・Excel・PowerPoint・PDF・TXTのファイルを読み込めます。料金(税込)はパーソナルプランの1年更新で月1,650円、1か月更新で月1,980円です(最終確認日:2026-10-05)。
文章チェック | ら抜き言葉
ら抜き言葉を確認する道具4つの違い
指摘の範囲と、文章の送り先で選び分けます
| ら抜きの指摘 | い抜き・さ入れ | 文章の送り先 | 費用 | |
|---|---|---|---|---|
| 生成AI ChatGPT・Claudeなど | △ 見落とし・誤指摘あり | △ 指示すれば拾える | △ 外部サービスに送信 | △ 無料枠は条件つき |
| 文章校正チェッカー JP Tools・無料Webツール | ○ 項目あり(公式) | △ い抜きは項目あり | ○ ブラウザ内で処理 | ○ 無料 |
| Wordの文章校正 日本語の校正設定 | △ スタイル設定しだい | △ い抜きは対象 | ○ 手元で完結 | ○ 追加費用なし |
| 文賢 ルール校正で指摘 | ○ 話し言葉で指摘 | △ さ入れは初期オフ | △ クラウドで処理 | △ 月1,650円〜(税込) |
- ※料金・機能は2026-10-05時点の公式情報・解説記事。最新は各公式でご確認ください
- ※Wordは手元にWordがある前提で、項目名はバージョンで異なります。文賢の月1,650円は1年更新の月額で、1か月更新は月1,980円(税込)
AIツールナビ
ツールを選ぶ4つの基準
基準は4つです。上から順に当てはめると候補が絞れます。
- 確認する量:月に数本なら無料チェッカーか生成AIで足ります。毎日書くなら、指摘が一覧で並ぶツールのほうが手間が減ります
- 指摘の範囲:ら抜きだけでよいか、い抜き・さ入れ・敬語まで見たいかで選びます
- 文章の機密度:社外秘の文章は伏せ字にしてから貼ります。送信先がどこかも確認します
- 書く文章の種類:会話文を多く書くなら、ら抜きの指摘を切れる道具が向きます
会話文を書く人は設定を確認
小説や取材記事の会話文では、ら抜き言葉をあえて残すことがあります。指摘を切れるかどうかは、道具ごとに違います。
- Word:文書のスタイルを「くだけた文」にすると、ら抜き・い抜きが対象外になる(解説記事による)
- 文賢:カテゴリごとに初期設定のオン・オフがあり、「話し言葉」も含めて設定で切り替える
- 生成AI:「会話文のかぎかっこ内は除いて」と指示する
機密文書はデータの扱いを確認
文賢の公式販売ページでは、入力した文章はAIの学習に使われず、文賢のサーバーにも保存されないと説明しています。AIアシストに送った文章だけは、OpenAI社のサーバーに30日間保管されるとの記載があります(最終確認日:2026-10-05)。
生成AIも、プランや設定で入力データの扱いが変わります。会社の文書を扱う前に、社内ルールと各サービスの規約を確認します。
目的別のツール早見
| 目的 | 向いている道具 | 理由 |
|---|---|---|
| 1本の文章を理由つきで確認 | 生成AI | 見分け方の説明まで出せる |
| 費用をかけずに確認 | 文章校正チェッカー | 無料で、ブラウザ内で処理(公式) |
| Wordの原稿をそのまま確認 | Wordの文章校正 | 追加のツールが要らない |
| ら抜き・い抜き・敬語をまとめて確認 | 文賢 | 話し言葉・誤った敬語のカテゴリあり(公式ヘルプ) |
| 社外秘の文章を確認 | 伏せ字にしてから各ツール | 送信先のデータの扱いが異なる |
開発者やライター向けには、文章の規則チェックツール「textlint」にもら抜き言葉専用のルールが公開されています。コマンド操作が必要なため、この記事の比較には入れていません。
ら抜きと敬語をまとめて確認したい人へ
ら抜き言葉は、い抜き言葉や誤った敬語と同じ文章に出やすい誤りです。話し言葉・誤った敬語・重複表現を毎回同じ観点で見たい場合は、辞書型の校正ツールが候補になります。
文賢の指摘は「見直す候補」です。会話文や引用の中の指摘は、直さずに残してかまいません。
ツールの指摘を確かめる手順
- 伏せ字にする:外部サービスに貼る前に、顧客名・金額・未公開の情報を置き換える
- ツールに通す:使う道具は1つに固定する。基準が毎回変わると判断がぶれます
- 「よう」で判定する:指摘された動詞に「よう」をつけ、言えるかを確かめる
- 会話文と引用を外す:かぎかっこ内の指摘は、意図して残す箇所か確認する
- 指摘のない箇所も見る:「来れる」「着れる」など短い動詞は、本文検索でも確かめる
5番目の本文検索は、Wordや各エディタの検索に「れる」と入れる方法です。前の文字が一段動詞かどうかを目で確かめます。
よくある質問
Q. 「見れる」は間違いですか。 A. 話し言葉では広く使われていますが、改まった書き言葉では「見られる」にそろえるのが無難です。国語審議会の報告も、改まった場での使用は認知しかねるとしています。
Q. 「行ける」「書ける」もら抜き言葉ですか。 A. いいえ。五段動詞の可能形で、もともと正しい形です。「行こう」「書こう」と言える動詞は「〜える」の形で問題ありません。
Q. 無料のツールだけで十分ですか。 A. 1本ずつなら、無料チェッカーか生成AIで確認できます。見落としがある前提で、最後は見分け方の表で確かめます。
Q. 「食べれる」と「食べられる」で意味は変わりますか。 A. 「食べられる」は可能のほか、受身・尊敬の意味でも使います。国語審議会の報告は、ら抜き言葉を可能の意味に限って使う考え方があることも紹介しています。
Q. Wordで、ら抜き言葉が指摘されません。 A. 文書のスタイルが「くだけた文」になっていないか確認してください。解説記事によると、このスタイルではら抜き・い抜きが対象外になります。Wordの校正機能で足りるかは、Wordの校正機能で足りるかの判断基準で整理しています。
こんな人におすすめ
- 1本の文章を、理由の説明つきで確認したい人 → 生成AI
- 費用をかけず、文章を外に送らず確認したい人 → 文章校正チェッカー
- Wordの原稿をそのまま確認したい人 → Wordの文章校正
- ら抜き・い抜き・敬語を毎回同じ基準で見たい人 → 文賢などの辞書型の校正ツール
※料金・無料枠・機能は執筆時点のものです。最新は各公式でご確認ください。
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参考にした情報
- 文賢ヘルプセンター「ルール校正とルール推敲の『カテゴリ』解説」・同「無料トライアルはありますか?」、文賢 公式販売ページ(株式会社ウェブライダー)|「話し言葉」カテゴリでのら抜き・い抜きの指摘、さ入れ表現の初期設定オフ、料金、無料トライアルの条件、対応ファイル形式、入力データの扱いを確認(最終確認日:2026-10-05)
- 文化庁「第20期国語審議会 新しい時代に応じた国語施策について(審議経過報告)」|改まった場での「ら抜き言葉」の使用は現時点では認知しかねる、とする見解を参照
- 文化庁「国語に関する世論調査」平成27年度結果(報道発表資料)、および2025年度結果の報道(時事通信・2026年10月2日)|「見れた」「来れますか」などの使用割合を参照