文章生成・ライティングAI

求人原稿をAIで作る選び方|年齢・性別のNG表現を避ける

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料金・無料枠・機能は変動が激しいため、各ツールに「最終確認日」を記載しています。申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

人をひとり募集するだけなのに、原稿を書く手が止まる。小さな会社や個人商店では珍しくありません。書くのは社長か事務の担当者で、採用の専任者はいない。文章の型も社内にない。そこでAIに書かせる流れになります。ただし求人原稿には、ほかの文章にはない「書いたら違法になる表現」があります。

この記事でわかることは3つです。

  • AIに任せていい部分と、人が決めるしかない部分の線引き
  • 生成AIが平気で書いてくる、法律上まずい表現の具体例
  • 原稿を作るツールと、点検するツールの選び分け

筆者はここで挙げるツールをすべて課金して使い比べたわけではありません。料金と機能は各公式サイトの公表情報、法律の内容は厚生労働省の公表資料をもとにしています。

AIに任せていい部分と任せられない部分

先に線引きから書きます。**AIが得意なのは「言い方」で、苦手なのは「事実」と「法令判断」**です。

求人原稿は、大きく3つの材料でできています。

  • 条件の事実:給与、勤務時間、休日、勤務地、雇用形態、保険
  • 仕事の中身:1日の流れ、担当範囲、使う道具、教え方
  • 伝え方:見出し、並び順、言い回し、会社の雰囲気

このうちAIに任せて効果が出るのは3つ目だけです。条件の事実をAIに考えさせると、存在しない手当や間違った勤務時間が混じります。生成AIが事実でないことを事実のように書く現象は広く知られています。求人原稿では求職者に示した条件と実際の条件がずれるという、一番やってはいけない形で出てきます。

仕事の中身も、素材を出すのは人です。「電話応対」「配送の補助」と書いても、求職者は判断できません。知りたいのは1日に何件か、ひとりでやるのか、誰が教えるのかという粒度です。この粒度の情報はAIの中にありません。箇条書きのメモで渡して、文章に整えてもらう使い方が現実的です。

求人原稿でAIがやりがちな法律違反

生成AIは、インターネット上の大量の文章を学習しています。その中には、法改正前の古い求人広告も、そもそも違法な求人広告も含まれます。だからAIは何食わぬ顔で、いまは書けない表現を出してきます。頻出の3つを挙げます。

年齢を絞る表現は原則アウト

「20代・30代活躍中」「35歳以下歓迎」。AIに若手向けの求人を頼むと、この手の一文が普通に出てきます。

労働施策総合推進法9条は、募集と採用について、年齢にかかわりない均等な機会の確保を事業主に求めています。つまり年齢で絞るのは原則としてできません。ただし厚生労働省の資料では、例外として認められる場合が定められています。主なものは次のとおりです。

  • 定年年齢を上限として、その年齢未満の人を期間の定めのない契約で募集する場合
  • 労働基準法など、法令の規定で年齢制限がある場合
  • 長期勤続によるキャリア形成のため、若年者などを期間の定めのない契約で募集する場合
  • 技能やノウハウの承継のため、労働者数が相当程度少ない年齢層に限定する場合
  • 芸術・芸能の分野で、表現の真実性などの要請がある場合
  • 60歳以上の高年齢者や、特定の年齢層の雇用を促進する施策の対象者に限る場合

注意したいのは、例外に当てはまる場合でも条件が細かく付くことです。長期勤続によるキャリア形成を理由にするなら、期間の定めのない契約であることや、職業経験を問わないことなどが求められます。AIは「例外に当てはまりますね」と言い切ってきますが、その判定をAIに任せてはいけません。迷ったらハローワークか労働局の窓口で確認するのが確実です。

性別を示す職種名の言い換え

男女雇用機会均等法は、募集と採用での性別を理由とする差別を禁じています。ここでつまずくのは、差別しているつもりのない職種名です。

厚生労働省や求人媒体各社が示している言い換えの例を整理すると、考え方は次のようになります。

  • 「営業マン」は職種名に性別が入るため避け、「営業職」や男女を併記した形にする
  • 「ウェイター」は「ホールスタッフ」のように性別を含まない呼び方にする
  • 「女性スタッフ募集」「男性スタッフ募集」は募集対象を性別で絞る表現になる
  • 「主婦歓迎」は「主婦(主夫)歓迎」のように両方を含む形にする

一方で「女性活躍中」「主婦(主夫)活躍中」は職場の実態を伝える表現です。募集対象を絞る書き方ではないため、問題にならないとされています。絞っているのか、実態を説明しているのかが分かれ目です。

AIは「カメラマン」「セールスマン」のような呼称を、なんの断りもなく使います。生成された原稿をそのまま媒体に入稿すると、媒体側の審査で差し戻されるか、気づかれずに掲載されて後から指摘を受けます。

2024年に増えた明示事項

2024年4月から、求人の申し込みや募集の際に明示すべき労働条件が増えました。厚生労働省の案内によると、追加されたのは次の3つです。

  • 従事すべき業務の変更の範囲
  • 就業場所の変更の範囲
  • 有期労働契約を更新する場合の基準(通算契約期間または更新回数の上限を含む)

「変更の範囲」とは、雇い入れた直後だけでなく、その後の配置転換なども含めた範囲を指します。ここがAIには書けません。将来どこまで異動や担当変更がありうるかは、経営側が決めている事実だからです。空欄のまま生成すると、AIはそれらしい一般論で埋めてしまいます。先にメモで渡すか、生成後に必ず自分で書き換えてください。

求人原稿に使うAIツールの3タイプ

ツール選びは「作る側」と「点検する側」を分けて考えると迷いません。1つのツールで両方を高い水準でこなすものは、現時点では見当たりません。

求人原稿 | ツールの役割の違い

たたき台づくりと点検は別のツール

法令上の可否の判定は、どのタイプでも代わりにはなりません

原稿のたたき台NG表現の点検始めやすさ
汎用AIチャット ChatGPT・Claude など ○ 無料枠で下書きまで作れる △ 指摘の観点が毎回そろわない ○ 無料枠から試せる
コピー生成AI(Catchy) 生成ツールが100種類以上 ○ 広告文・コピー向けの型が選べる × 求人法令の判定機能は公表なし △ 無料は毎月10クレジット
校正・推敲AI(文賢) ルール校正13項目 × 文章を生成する機能はない △ 言い回しは点検できるが法令判定ではない △ 14日間の無料トライアルあり
  • ※年齢制限や性別表現が法令上どう扱われるかは、最終的にハローワークや労働局の窓口で確認してください
  • ※料金・機能は各公式サイトの公表情報(最終確認日:2026-09-18)

AIツールナビ

汎用AIチャット

ChatGPTやClaudeのような汎用のAIチャットは、無料枠から求人原稿の下書きを作れます。条件をメモで渡して「求人票の仕事内容欄の文章にしてください」と頼めば、形は整います。

弱点は指摘の観点が毎回変わることです。同じ原稿を2回チェックさせると、1回目は年齢表現を拾い、2回目は拾わないということが起きます。使うなら、この記事の後半に載せたチェック項目を自分でプロンプトに書き込み、毎回同じ文面で投げる運用にしてください。

もうひとつ、応募者の履歴書や面接メモを貼り付けないという原則も守ってください。求人原稿そのものは公開する文章なので気にする必要はありませんが、採用の過程で出てくる個人情報は別です。

コピー生成に特化したCatchy

Catchyは日本語のAIライティングツールです。公式サイトによると、生成ツールは100種類以上あり、キャッチコピー、広告文、記事、メール、企画案などに対応しています。求人専用のテンプレートがあるという記載は公式ページにはありません。求人原稿に使うなら、広告文やキャッチコピー向けのツールに、募集条件をこちらから渡して作らせる形になります。

料金は公式サイトの表記で次のとおりです(最終確認日:2026-09-18)。

  • Free:0円、毎月10クレジット付与
  • Starter:月3,000円から。3,000円で100クレジット、5,700円で200クレジット、8,100円で300クレジット
  • Pro:月9,800円、無制限
  • Enterprise:要問い合わせ

小さな会社の採用は、年に1回か2回という頻度が多いはずです。その頻度なら、まず無料の10クレジットで見出しと書き出しを何パターンか出させてください。そのうえで有料に進むか判断する順番が無駄になりません。書き出しの案が複数出るだけでも、白紙から書くより手が動きます。

校正・推敲に特化した文賢

文賢は、文章の校正と推敲を支援するクラウドツールです。公式サイトによると、ルール校正は13項目、ルール推敲は22項目をチェックできます。個人情報や機密情報をマスキングした状態でAIアシストを使える機能も案内されています。

料金は次のとおりです(最終確認日:2026-09-18)。

  • パーソナル:1年更新で月1,650円(税込)、1か月更新で月1,980円(税込)
  • ビジネスチーム:1年更新で1ユーザー月2,750円(税込)、1か月更新で月3,300円(税込)
  • 14日間の無料トライアルあり。期間中にキャンセルすれば料金は発生しないと記載

ここで正直に書いておきます。文賢は求人の法令チェックツールではありません。年齢制限が例外事由に当てはまるかどうかを判定する機能は公表されていません。文賢が効くのは、回りくどい言い回し、読みにくい一文、不快に受け取られやすい表現といった、文章そのものの水準です。求人原稿を年に数回しか書かないなら、この1点のために契約する必要はありません。日常的に社外へ出す文章を書いているなら、求人原稿はその延長で点検できます。

たたき台を作らせる指示の組み立て方

AIへの指示は、材料を先に渡して、禁止事項を明示する形にすると精度が上がります。次の順番で書いてください。

  1. 立場を指定する。「中小企業の求人原稿を書く担当者として」
  2. 条件の事実を箇条書きで渡す。職種、雇用形態、給与、勤務時間、休日、勤務地、保険、応募方法
  3. 業務と就業場所の変更の範囲を渡す。ここは自分で決めた内容を書く
  4. 仕事の中身をメモで渡す。1日の流れ、担当範囲、教え方、使う道具
  5. 禁止事項を書く。年齢や性別で対象を絞る表現を使わないこと、渡していない条件や手当を書き足さないこと
  6. 出力の形を指定する。「仕事内容欄400文字、見出し案を3つ」

5番が要点です。禁止事項を書かないと、AIは学習した古い求人広告の型をそのまま再現します。「20代活躍中の職場です」「明るい女性が活躍しています」といった一文が、指示していないのに混ざってくるのはこのためです。

出てきた原稿は、必ず条件の事実を1行ずつ突き合わせてください。生成の途中で数字が丸められたり、書いていない手当が足されたりします。

公開前に見るチェックリスト

入稿する前に、次の項目を上から順に当ててください。AIに点検させる場合も、この文面をそのまま指示に貼ると観点がそろいます。

  • 年齢で対象を絞る表現が入っていないか。入っているなら例外事由に当たるか窓口で確認したか
  • 職種名や本文に性別を示す語が残っていないか(営業マン、ウェイター、カメラマンなど)
  • 「女性スタッフ募集」のように、募集対象を性別で絞る書き方になっていないか
  • 従事すべき業務の変更の範囲を書いたか
  • 就業場所の変更の範囲を書いたか
  • 有期契約なら、更新の基準(通算契約期間や更新回数の上限)を書いたか
  • 給与、勤務時間、休日、保険が、社内の実際の条件と一致しているか
  • 渡していない手当や福利厚生が足されていないか
  • 「アットホームな職場」のような、中身のない形容だけで終わっていないか
  • 仕事内容が、応募を判断できる粒度まで具体的か

最後の2項目は法令とは関係ありませんが、応募が来るかどうかを分けます。求職者が知りたいのは雰囲気ではなく、自分にできる仕事かどうかです。

よくある質問

AIが作った求人原稿をそのまま出しても問題ありませんか。

条件の事実と法令表現を人が確認していないなら、出さないでください。ハルシネーションで条件がずれた場合も、責任を負うのは掲載した事業者です。

ハローワークの求人票にもAIは使えますか。

仕事内容や特記事項といった文章欄のたたき台づくりには使えます。ただし入力欄の構成や必須項目は、ハローワークインターネットサービスの求人申込書に従ってください。欄ごとの文字数の上限は公式の入力画面で確認するのが確実です。

法令のチェックまでしてくれるAIツールはありますか。

この記事を書いた時点では、求人原稿の法令適合を判定すると公表しているツールを確認できていません。求人媒体に入稿する場合は媒体側の審査が入りますが、審査の有無と基準は媒体ごとに違います。最終的な確認先はハローワークか労働局の窓口です。

無料のAIチャットだけで足りますか。

年に1回か2回の募集なら足ります。有料ツールが効いてくるのは、求人以外にも社外へ出す文章を日常的に書いている場合です。

こんな人に向く組み合わせ

  • 年に1回程度の募集で、費用をかけたくない:汎用AIチャットの無料枠+この記事のチェックリスト
  • 見出しや書き出しの案を複数ほしい:Catchyの無料クレジットで試してから判断
  • 求人以外の文章も日常的に出している:文賢で点検の型を作り、求人原稿もその流れに乗せる
  • 年齢や性別の条件に迷いがある:ツールを探す前に、ハローワークか労働局の窓口で確認

※料金・無料枠・機能は執筆時点のものです。最新は各公式でご確認ください。

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